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親の遺産 [心の栄養]

うちは貧しいのだと子どもの頃から思い込んでいたが、

父の遺産を調べて驚いた。

ベッドタウンの拡大によって地価が高騰し、

父は一角の資産家になっていたのだ。

聞いたところでは、

父もそれを知っており、

マンションを建てる誘いなども受けたが全て断っていたという。

親が遊んで暮らしている姿を子どもに見せるべきでない、

というのがその理由だったという。

(心のともしび 片柳弘史 神父)より



養護施設に異父姉弟が預けられていた。

姉弟の母親の死亡が確認されたが、双方の父親の所在は不明だった。
姉が高校生になった時に、姉の父親は獄死していることが判明、

父親の父、つまり姉の祖父がいることが分かった。が

祖父は危篤状態で孫がいることそれまで知らなかった。

親不孝息子だが孫には何の罪もない、と

まだ見ぬ孫の姉に全財産を遺して亡くなった。


園長先生たちは姉が高校卒業するまで、遺産相続のことは隠しておいた。

やがて遺産相続のことを告げ、

「必要な時にいつでも言ってちょうだい。あなたのお金だからね」

と姉名義の預金通帳を見せながら園長先生は姉に言った。

金額は数億円。

最初はお小遣い程度の金額だったが次第に膨れ上がってきた。

「このお金は〇子ちゃんのお金だから何に使おうと自由だけど

最近は金額が大きい。何に使っているのか教えて」

〇子が園長先生に説明したのは

友達に食事などをご馳走している、という。

〇子は金銭を干渉されるのを嫌い、施設をでた。

それから10年後に

「姉ちゃんが死んだ」と弟から電話が入った。

自殺だった。

施設を出てからはホスト通い、男には金を騙し取られるなど

放蕩生活を送っていた。

幼い子供が二人いて、名古屋でダンナと生活しているらしいが

住所は分からないので連絡が取れない、と弟は言う。

施設長に電話をしたらショックで、僕の話を信用してもらえず

警察に問い合わせをしてやっと信用してくれた。

葬儀は弟夫婦、僕ら夫婦、施設関係者だけだった。

施設長は棺桶に入りきれないほどの花を

遺体の周りに入れてくれた。

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