お返しをしない人を招く [いろいろな思い]
(そのとき、イエスは招いてくれたファリサイ派の議員に言われた。)
「昼食や夕食の会を催すときには、友人も、兄弟も、親類も、近所の金持ちも呼んではならない。
その人たちも、あなたを招いてお返しをするかも知れないからである。
宴会を催すときには、むしろ、
貧しい人、体の不自由な人、足の不自由な人、目の見えない人を招きなさい。
そうすれば、その人たちはお返しができないから、あなたは幸いだ。
正しい者たちが復活するとき、あなたは報われる。」
(ルカによる福音書 14:12-14)
明後日、ゴルフ友の奥さんが亡くなったので葬儀で上京する。
彼は日本を代表する大企業の重役だった。
彼は役員時代、同僚や部下の冠婚葬祭には一切出席しなかったらしい。
頼まれ仲人も断った。
理由は
義理で冠婚葬祭に出ても虚しいだけ、
仲人にしても、上司だから仲人を引き受けるのは
部下の義理と損得勘定のほかでもない。
たとえ引き受けたとしても、
Aの仲人を引き受けて、Bの時に都合が悪いからと断ったらBに申し訳がたたないし
人生の門出を祝うには相応しくない。
それに部下は、仲人に対してお礼などの気を使わなければならいし
もらったらもらったで、こっちも気を使わなければならない。
馬鹿げたことだ、と言っていた。
曲がったことが嫌いで、
コースを回っていてもエチケットに反すると
離れていても大きな声で注意をされた。
同伴者には気を使い、
OBやラフ、やぶの中に球が入ってもほとんどを球見つけてくれ
打ち直しの時には、ピンの方向を正確に教えてくれた。
奥さんは
「もう、うるさくって貴方と周りたくないと」と口喧嘩をしながらも
6月から11月までの北海道を楽しく愉しんでいた。
北海道に来てからのゴルフ友だが
「練習場にいくと、練習仲間に今晩飲みに行こうと誘われるが
風太郎さん以外の人とはコースも周りたくないし
飲みにも行きたくない。行っても(人間的に)面白くない」
と言って、へぼゴルフや飲み屋に付き合ってくれた。
奥さんと三人でコースに出ると
「二人の面倒をみてると、自分のゴルフができないよ」
とぼやきながらもスコアは70後半から80前半で周ってくる。
飲み屋でも、二人の口喧嘩は絶えなかった。
口喧嘩が絶えなかった彼だが、
奥さんを亡くされた彼の顔をまともに見ることができるだろうか。
言葉はいらない、顔と顔を合わせるだけで十分だ。
葬儀の日取りや斎場など教えてくれたが
内容から察するに家族葬のようで、家族以外は風太郎だけみたい。
会社関係に知らせれば、大勢の関係者が弔問に来るだろうが
そういう弔問客は望んでいないようだ。
日本酒が好きだった奥さんに、一升瓶を下げてお別れをしてこよう。