聖人伝の中につぎのような話がある。

ある長老が亡くなった、生きているあいだはあまり取り柄のなかった修道士が、天国のいちばんいい場所におさまつている夢を見た。

そこで長老は、多くの弱点を持ったつまらない修道土に

どうしてこのような大きな幸福が与えられたのかと、その理由をたずねてみた。

すると、この修道士は生きているあいだどんな人間をも責めたことがないからである、

という答えが返ってきたとのことである。

「トルストイことばの日めくり 小沼文彦編訳」より


ひとを非難したり責めたりする時に、自分には精神的な痛みを感じず

逆に快感を覚えることもある。

しかし、自分が非難されたり責められると無性に腹が立つ。


少なくとも今日のこれから半日くらいは、ひとを非難したり責めたりせずに

相手を褒め称え、愉快にさせて過ごしたい。