励ましの声

暮らしの戦いに敗れて、

死を求めようとする人々のいかに多いことでしょう。

右を見ても、左を見ても、皆、大小の差こそあれ

悲しみのおいを背負って果てしない道を歩いています。

そばに重さに耐えかねている人を見ても、

うかつに手を出せないのです。

うっかり手をだせば、

自分もまた倒れてしまうかもしれないからです。

しかし、その勇気を出して手をさしのべてくれる人があったら、

重荷を代わりに背負ってくれなくとも、

せめて、優しい励ましの声をかけてくれる人があったら、

この世はその優しさに、美しく輝くに違いありません。

（ドン・ボスコ社「落ち葉」より）

助けを求める人がいるのを見ながら

ポケットに手を突っ込み、助けを必要としているのに

手を出そうとしない自分がいたのを

思い出します。