くじけた時、人は孤独に沈む。
望みが失われると同時に、世界そのものが遠ざかり、
何もかもが自分と関係ない存在になる。
喜びや嬉しさ、楽しさの感覚がわからなくなり、身体が動かしづらくなる。
心の中が苦しさで一杯で、疲れきっているのに眠れない。
夜の底に横たわって、時間が頭上を通り過ぎるのを待つだけだ。
だが、そんな日々も人生の宝石なのかもしれない。
目には見えないけれど、人は皆、胸に宝石を掲げているのではないだろうか。
良き心を持っているがゆえの苦しみ、悩み、耐え難いように思われても、
過ぎた後は、それが生きた証として最も深く大きく輝くのだ。
(心のともしび 岡野 絵里子)より