人の非難を好む [心の栄養]
なにゆえに人間はこのように互いに非難し合うことを好むのだろうか?
どんな人間でも他人を非難する際には、
隣人が非難されているようなことは
自分は絶対にやらないと考えているからである。
それゆえにこそ人間はまた、
隣人に対する悪口を聞くのが好きなのである。
(女子パウロ会刊「トルストイ ことばの日めくり」より)
風太郎は、ひとの噂や悪口を耳をダンボにして聞いてしまう。
聞いている間、自分には欠点などない完全な人間であるかのように
頷き相槌を打つ。
まるで美酒に酔っている気分になり、聞いている間は夢のように時が去っていく。
この美酒から酔いがさめると、
自分に当てはまる事を言われていることが、多々あると気がつく。
相槌は、自分自身の言動の非難に賛同したものだ。
心地よくひとの噂や悪口を聞いていた自分が恥ずかしくい。