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心の中の森を [心の栄養]

私には忘れられない子供の時の思い出があります。

それは、洞窟の中で雨宿りをしたときの父の言葉です。

「耳を澄ましてよく聞いてごらん。山は息をしているんだよ」と。

また木陰でひと休みしたとき、大きな樫の木に耳を当てさせ、

「気も息をしているんだよ……よく聞いてごらん」と。

その時、私は確かに山も木も息をしているように感じられました。


森の中を一人で歩きますと、

神様を身近に感じ、

心の安らぎをおぼえます。

どうしたらいいのか困っているとき、

森や静かな庭の中を歩いてみませんか。

きっと落ち着きと生きるための勇気と喜びを見出すことでしょう。

そうです……大自然は一冊の書物であり、神様がその著者です。


心の森の中で静かに祈りたい……。


「神様、見る目と、聞く耳をください」

(ドン・ボスコ社「落ち葉」より)


人は土を耕し種を蒔き肥料をやる。

時期になるとやがて芽を出し、花を咲かせ次代を担う実がなる。

これらはごく当たり前だと思っている。

しかし、神様が命を与えなければ種のままで終わってしまう。

成長させるのは神様です。

雨を降らせ、太陽で照らし、心地よい風を吹かせ

日夜見守り育てます。

そう考えると大自然は、

超自然的なことを教えてくれる一冊の書物だと思います。


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